2004/08/10 (火)

カナダ ダビンチチームも10月2日XPRIZE挑戦 スペースシップワンと勝負

スペースシップワンが9月29日にX PRIZE挑戦すると発表したが、他のチームも負けてはいない。
カナダの da Vinci ProjectがWild Fireで10月2日にX PRIZEに挑戦すると発表した。
X PRIZEでは2週間以内に2回成功させることが優勝の条件であるため、ここにきて逆転の可能性も出てきた。
X PRIZEレースは白熱したバトルとなっている。

Wild Fireは液体酸素を燃料と酸化剤にした気球からの離陸/パラフォイルによる軟着陸の宇宙機で、ヘリウム気球により高度8万feetまで60〜80分かけて上昇し、空中から最初80度方向に打ち上げられ垂直に向きを変えて、最高速度2670マイル/hで高度120kmまで上昇し、バリュートを膨らませて再突入し、GPS誘導によりパラフォイルを展開し10〜100kmの地点に軟着陸する。
飛行時間は90〜110分で、無重力時時間は3.5分と言われている。

特筆すべきは、ダビンチプロジェクトは開発コストの大幅な削減に成功しておりその開発予算は約4億円ほどである。
スペースシップワンの開発費が約30億円と発表され、その開発コストの安さに驚いたが、Wild Fireはなんとその8分の1である。
ダビンチチームは「スペースシップワンはお金をかけすぎている。」と言っており、有人の宇宙機開発がこれほどまでに低コストで実現できるという事実に驚かされる。

コリンズ教授らが提案する宇宙丸プロジェクトでは開発費約300億円との驚きの低価格の見積もりがなされていたが、X PRIZE参加チームの開発予算とくらべるとこれでも高いくらいに見えるほどである。

X PRIZEのエントリーチームの多くはこのような低予算の中で宇宙機の開発を進めており小さな町工場のような工場から、宇宙へ飛び立つ宇宙船が開発される日も遠くないことだろう。

X PRIZE 今年の秋は目が離せない。
今年は民間による宇宙旅行が現実となる宇宙旅行元年となることだろう。

協力
>ANSARI X PRIZE