2004/10/15 (金)

次は軌道宇宙船!ビグローがAmerica's Space Prizeを発表!

ビグローエアロスペースは最近成功したX PRIZEのような準軌道の次のさらに上を行く軌道への宇宙乗客輸送機の開発に関して5000万ドルのコンテスト「America's Space Prize」を後援することが発表される。

ビグローは半分の2500万ドルを用意していて、残りはNASAに交渉中らしい。ちなみにNASAは「軌道上宇宙飛行の民間への明け渡し」を構造改革の目標に掲げ、予算の一部を民間宇宙船開発への賞金制度へ割り当てることをすでに検討しているので、この5000万ドルの賞金が成立する現実性は高いと考えられている。

ビグローはNASAジョンソン宇宙センター(JSC)へのミニスカンク・ワークスになり、宇宙ホテル構想をNASA支援の下、開始しているが、宇宙ホテルができてもそこに行くまでのアクセス手段がないことが問題であり、これを解決するためにAmerica's Space Prizeを設立した。

America's Space PrizeをふくむNASAとビグローの10年計画の概要は以下の通り。
■America's Space Prize勝者はこの10年以内のに5〜7人の人をビグローの開発する宇宙ホテルまで行き来できる宇宙船を開発しなければならない。
■America's Space Prizeは、また45 X 22-ft のNASA支援のもと開発中の"Nautilus" モジュール(小さな宇宙ステーションとしてドッキング可能であるモジュール)の軌道上サービスミッションのためにビグローからの契約で最初の権利が保証される。
■2005年 SpaceX Falcon VによるGenesis 1/3スケールテストモジュールの打ち上げ
■2006年 ロシアのDneperによるGenesisモジュール の打ち上げ
■2007年 2回のDneper飛行での2つのGuardian 45% スケールモジュールを打ち上げ
■これらのテストモジュールは数年間軌道に留まり、ビグローは研究者へ無料で軌道上のスペースを提供する。
■Protonクラスの輸送機が2008年の無人の最初のフルスケールの"Nautilus" モジュールの打ち上げを始めるのに必要である。 クルーオペレーションは2010年に始まることになるだろう。

このように宇宙旅行に関する様々なコンテストや賞およびプロジェクトなどが計画されており、そのための活動が本格的で現実的になってきている。
X PRIZE CUP, WTN X PRIZE,NASA Centennial Challenge,Elevator2010,America's Space Prize,SpaceDev Dream Chaser,日本での茨城小型ロケットビジネス研究会などなどがある。

SF/Jではこれらの動きに特に注目し、さまざまな情報をみなさんにお伝えしていくつもりです。みなさんも注目してください。

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