2004/11/12 (金)

賞金5000万ドルのAmerica's Space Prize

ラスベガスのホテルチェーン ビゲローが打ち立てている軌道宇宙ホテルまでの定期便の開発を促す為の、宇宙船開発レース「American's Space Prize」の賞金5000万ドル獲得のためのルールの概要が11月8日に発表された。

民間宇宙飛行の最初の勝者となる宇宙船はNASAに匹敵する高度な技術を持っている必要がある。
5000万ドルは以下のような基準を達成した宇宙船を開発したチームに贈ると言われている。

・少なくとも5人以上の乗客を高度400キロメートルの高度へ輸送すること
・60日以内に再使用で2回繰り返すこと
・宇宙船はビゲローの宇宙ホテル(2008年建造予定)にドッキングし、6ヶ月間滞在できること

この賞の締め切りは2010年1月10日となる。

ビゲローは当初、宇宙ホテルへのお客の輸送にロシアのソユーズ宇宙船を利用することを希望していた。
しかし。去年2月1日のスペースシャトルの事故によって現在は国際宇宙ステーションへの輸送にはNASAはソユーズを物資の輸送に使うことを計画している。
これによりソユーズをNASAが優先的に使うことになり、ソユーズの価格が上がることが予想された。
そこでビゲローは新たな宇宙輸送手段を探すことになった。
そのアイデアがAmerica's Space Prizeを設立し、民間企業が安価な軌道への輸送システムを開発することである。

またビゲローエアロスペースは宇宙ホテルへお客を輸送するための宇宙船について次のような規則を制定しました。

●宇宙規則
1)本プロジェクトのために政府からの基金などを得ないこと、また、合衆国の外からチームが参加しないこと。(チームは米国籍であること)
これは軍用品の輸出の規制が民間宇宙飛行の商用化の進歩を妨げることなることへの対応と考えられる。

2)再利用型だが、20%未満であれば再利用でなくてもよい部分があっても良い。
現在の多くの宇宙船開発が巨大な使い捨ての打ち上げロケットに頼っていることを考えるとこれは重要なハードルの一つとなる。

10月4日に民間宇宙飛行を成功させたスペースシップワンへANSARI X PRIZEが11月6日に贈られました。
これより民間宇宙飛行へ巨大な投資がなされることを刺激されることが期待される。X PRIZE Foundationではその後年1回 X PRIZE Cupの開催を発表しており、America's Space Prizeなどと合わせて民間宇宙機の開発競争が加速していくことだろう。

関連サイト
Nature News