2004/11/19 (金)

これからの宇宙機はロケットとは全く違う乗り物との認識が必要

TECH CENTRAL STATIONで研究者の分析結果「宇宙旅行はまだ当分無理」に対し、HobbySpaceは「この分析結果は技術根拠が今までのロケットと一緒のベースであり、これからの宇宙機に対する適切な分析結果になっていない。」とコメントした。

研究者Alexander TabarrokはTECH CENTRAL STATIONで「宇宙旅行を始めるための問題は費用ではなく安全性の確保であり、そのためにはもっと長い時間が必要で、始めるための準備ができていない」と発表している。
(関連記事:http://techcentralstation.com/111804C.html)

これに対しHobbySpaceでは以下のようなコメントを示した。
「基本的にはこの分析結果は技術根拠やデータが今までの使い捨てロケットやシャトルと一緒の考えがベースになっているので、これからの再使用型宇宙機を用いたものに対する適切な分析結果になっていない。」というものである。

航空宇宙学の技術者は彼の分析に対して以下のような懸念を指摘している。

·彼の分析ではこれからの宇宙機を今までの10年間に開発され打ち上げられたロケットと一緒にして、構成、設計などすべての方法、形式における「技術的な誤り」を当てにしている。(あくまで今までのロケットとしてしか考えていない)

·今までとは全く異なる推進システムと設計の新しいサブオービタル宇宙機として結論を出すべきである。(従来の液体推進エンジンが高い安全レベルを達成することが不可能と考えている訳ではない)

·どのようにして使い捨てオービタルロケットと再使用サブオービタル宇宙機を比較できるのか?また、どのようにして、大規模で、複雑で、こわれやすい最初のシャトルのようなものと、小さくてマッハ3のサブオービタル宇宙機を比較できるのか?

·彼は、SpaceShipOne(SS1)の初期のテスト飛行の間に起こった問題を引用して、これらがSS1の非信頼性を示すと暗示しているが、この考えは間違っている。なぜなら問題を見つけるのはテストフェーズの目的であり、徐々に限界に挑んで、問題を見つけて、それらを修理する。このことが、宇宙機の信頼性を上げる方法であり、安全のマージンを確保するものある。
そして最初のX PRIZE飛行の回転のような問題にもかかわらず、SS1はパイロットにも宇宙機にも少しも損傷なしで無事帰ってきた。これは、この初期段階にでさえ、宇宙機にはかなりのマージンがあることを示しおり、それが全く新しいタイプの宇宙機であると考えるのに十分な材料である。

·バートルータン(SS1の開発者)は、SS2が定期宇宙旅客機の第一世代の安全レベルを達成することができると信じている。
彼は飛行機と同様の方法で安全レベルを証明していくことを考えている。このことは、乗客を乗せてサービスを開始する前に多くのテスト飛行を実施することを意味するだろう。
多くの飛行のサンプルから信頼性の合理的な評価を可能にすることができる。

·最初の宇宙観光旅行旅客機を現在の定期旅客機安全と比較するのは愚かな考えである。現在の航空機の安全レベルの達成は10年間という期間と、多くの事故からの学んだという時間と犠牲、経験からなるのである。

·初期の宇宙観光旅行宇宙機はパラシュート、スキューバダイビング、登山などのような他の一般的な冒険旅行と同じように、十分な安全性を確保できないという基本的な理由を示す根拠が彼の分析には何もない。

·時々、死亡事故があるにもかわらず、これらは毎日何千人もの人々が楽しみ行っているのである。

SF/Jとしても全くの同意見です。これからの宇宙機を考えるのに、まずは今までのロケットでの考え方や認識を改めいく必要があります。そして、それを実際に証明したのが航空機のようなSpaceShipOneだと思います。これは本当に偉大ですばらしい出来事でした。

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