2004/11/25 (木)

宇宙には利益をもたらす無限の資源が眠っている!

宇宙科学者と起業家は、未来の宇宙旅行に対して単なる旅行として観光客が
写真を撮影したり無重力を体験する以上のものを思い描いており、太陽系から
豊富な天然資源を採取し利用すべきであると語った。

「無尽蔵な資材やエネルギーを利用し、持続可能な宇宙探査が可能になるかもしれない。新世界を発見し、新たな市場と新たな成長を手に入れるのだ」とジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所のスピューディス博士は語った。

ブッシュ大統領が設置した諮問委員会『米国宇宙探査方針実現に関する委員会』にも参加した博士は、14日、マサチューセッツ工科大学(MIT)が主催した宇宙探査会議『スペースビジョン2004』で講演を行なった。会議に出席した科学者や技術者は、月や火星上に自給型の前哨基地を数十年後に建設する構想について語り合った。

近い将来、惑星間の探査や宇宙開拓に向けて、宇宙基地での長期にわたる滞在に軽量の装備で出かけられるようになると会議の出席者たちは予測した。
出席者たちは月や火星での活動を維持するために必要な氷や水素はすべて現地調達し、また銅やニッケルといった商品価値のある金属が豊富に埋蔵されていると考えている。

そして、MITと共にスペースビジョン2004を主催した『宇宙探査・開発のための学生組織』(SEDS)のジョシュア・ニューバート会長は宇宙開拓者はこれらの鉱産物を地球に出荷して大きな利益を得られるだろうとも考えており、「これは単に経済の問題だ。金属の価値が十分に高く、地球に輸送する費用が十分に安ければ、それをやらない理由などない」と述べた。

X PRIZE財団の創立者であり、SEDSの創立者であるピーター・ディアマンディス氏によると、最も重要なのは、太陽系の無尽蔵と思われるエネルギーと豊富な鉱物を使って地球の資源不足を解決できる可能性だという。「太陽系は巨大な雑貨店のようなものだ。われわれが必要とするかもしれないものを、すべて揃えている」と述べた。

SF/Jとしても宇宙旅行や宇宙開拓の必要性の1つに「宇宙を体験する」だけでなく「無限な宇宙資源の有効活用」を上げており、宇宙にはこのように経済的にも利益をもたらす豊富な資源が眠っていることを研究者も認識し、開拓を推奨している。しかしこの無限の資源も使えなければ意味がなく資源を有効に使うためにも重要なのは安くて誰もが宇宙に行ける環境つくり(アクセス手段)なのだと思います。

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