2004/12/22 (水)

宇宙新ビジネス開拓のためのJAXAと民間のパートナー制度

多額の国家予算を費やした宇宙開発の成果を新ビジネスに生かすため、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、企業や個人、大学とのパートナー
制度を創設し今回の研究テーマを選定した。

2004年度事業として、国際宇宙ステーション(ISS)でのCM撮影や、実写映像を取り込んだプラネタリウム制作など、6件の事業計画を選定し研究期間は最長で3年。パートナーには、年間、3000万円を限度に資金が提供される。

世界最高水準のレンズ式プラネタリウム投影機「メガスターII」を開発したグループは、ISSから投影した実写映像を交えたデジタルプラネタリウムを制作する。
「メガスターII」は現在、都内と神奈川県内の2館でのみ公開されているが、プロジェクトが成功すれば、全国各地で楽しめるようになる。

また、電通で、大塚製薬のスポーツ飲料のCMとして日本初の「宇宙CM」を手がけた人のチームは個人で映像制作会社イマジカ(東京都品川区)と組み、ISSにハイビジョンカメラを搭載し国内外の広告会社などの撮影依頼を受ける。すでに潜在ニーズはあるらしい。

将来は、リアルタイムに宇宙の映像を中継できるインフラを整備する計画で、「遠い存在だった宇宙が身近になる」と期待する。

CS「スーパーバード」シリーズを運用する宇宙通信(同)と東京工科大学メディア学部の教授らは、合同で国内外のCSの空き回線を束ね、容量が大きいデジタルシネマ配信などに安く提供する計画もある。

今年度、選定されたのは6件だが、JAXAは、「事業化により、ビジネスの裾野がどれほど広がるかがパートナーシップ選定の基準。プロジェクトによっては十分な実績があり、採算が取れる可能性が高いものもある。長期的なスパンで、ビジネスの可能性を追及していきたい。来年度も新事業を計画する」と、"民間"との共闘に意欲的である。詳しくはJAXAホームページを参照。

このように宇宙分野は国だけのものではなく、「国民に身近なもの」としてビジネスとして考えていく必要があるという考えはJAXAにはあるようですね。最近は今回のパートナー制度や、先日のLivedoorを招いたシンポジウム開催などに見られるように、「民間と協力してやっていく」という考えがハッキリと見えてきました。この流れで宇宙旅行も国と民間が手を組んで協力し実現していけるようになることにSF/Jは期待したいと思います。