2005/03/31 (木)

だれもが行ける宇宙旅行に一歩前進!

米連邦航空局(FAA)の商業宇宙輸送部門(OCST)が民間宇宙旅行に向けたガイドライン草案を発表した。これにより、誰もがいける宇宙旅行に一歩前進することになる。

米連邦航空局(FAA: Federal Aviation Administration)の商業宇宙輸送部門(OCST: Office of Commercial Space Transportation)は、民間の宇宙旅行サービスの実現に向けた、搭乗客の参加資格などのガイドライン草案「Draft Guidelines for Commercial Suborbital Reusable Launch Vehicle Operations with Space Flight Participants」を発表した。

昨年12月23日には、ジョージ W.ブッシュ大統領の署名によって、民間企業による商業宇宙旅行を許可するための法案「Commercial Space Launch Amendments Act of 2004(CSLAA)」が成立したとされ、運輸省(DOT: Department of Transportation)およびFAAに対しては、宇宙旅行サービスに関する基準の策定など、法的な環境整備を進めることが求められているという。

すでに発表されたガイドライン草案によれば、まずは前もって、宇宙旅行に参加する搭乗客に対して、死亡事故の発生を含めた、起こり得るあらゆる危険について十分な説明がなされなければならないとされている。過去の飛行記録などを詳細に示すことが必要とされるものの、民間企業による宇宙旅行の歴史がないため、現段階では確実な安全性を証明できないという現状を明らかにしつつ、搭乗客には、生じ得る危険について理解を深めるために、十分な質疑応答の機会を与えることが定められている。また、米政府は宇宙旅行サービスを許可するものの、安全性を保証することはできないとの立場が明示されねばならないとしている。

ガイドライン草案では、その後、搭乗客に対して、危険を承知の上で任意に宇宙旅行へ参加することに合意する旨を記した書類を、自筆で署名して提出することが義務付けられるとしている。他に搭乗客の健康診断記録の提出など、宇宙旅行に妨げとなる健康上の問題を抱えていないことを証明する必要があることや、緊急事態発生時に備える訓練プログラムを整備する必要性などが提案されたようだ。

なお、宇宙船パイロットの資格などを定めたガイドライン草案「Draft Guidelines for Commercial Suborbital Reusable Launch Vehicle Operations with Flight Crew」も同時に発表されており、FAAの免許取得後に一定の操縦経験を積み、宇宙旅行で起こり得る危険に対処するための訓練プログラムをパスすることなどが、基準に盛り込まれているという。

宇宙旅行の実現には法整備が必要であり、SF/Jでは早くからこのガイドラインに注目してきました。このガイドラインの主要な内容については以前から主張しているコリンズ教授の考えと一致しているものであり、大変評価できるものです。日本においても宇宙旅行の実現のためには同様なものが必要になります。早急に作成に取り掛からないと世界に遅れをとることになってしまいますよ。

関連サイト
だれもが行ける宇宙旅行に一歩前進!? - 米連邦航空局、ガイドラインを整備へ(MYCOM)