2005/08/23 (火)

映画『ガイア・セレーネ』:月の開発こそが人類を救う!

映画『ガイア・セレーネ』は地球にとって月はクリーンで安価なエネルギー資源を無限に供給してくれる存在で、疲弊した地球に豊かさと繁栄をもたらすと主張している。制作者のチップ・プローザー氏は、目的は科学の実証ではなく、こうしたアイディアがあるという事実を一般の人々に示すことだと述べた。

現在は月への移住のような今まで空想物語と思われていたいわゆるSF世界を科学者が実現できる時期が来たと考える人もいる。映画制作者で脚本家でもあるチップ・プローザー氏もその1人だ。そして、プローザー氏が制作した新しいドキュメンタリー映画『ガイア・セレーネ』は、月への移住はただの冗談ではなく、人類を救う最善の策だと訴えている。

この作品は、地球にとって月はクリーンで安価なエネルギー資源を無限に供給してくれる存在でわれわれの疲弊した地球は安定し、豊かさと繁栄が太陽系全体に広がるのだという。

『ガイア・セレーネ』は、環境破壊により崩壊へと進む地球の姿(想像)から始まる。世界のエネルギー需要は急上昇している上、原発や化石燃料でも問題が多い。そこで、その対策として費用のかからない、クリーンなエネルギー資源としてヘリウム3と太陽エネルギーが存在する宇宙に目を向けるべきだと、主張する。

 ヘリウム3は月や宇宙空間では容易に手に入る物質であり、放射性廃棄物がまったく出ない。
もう1つの太陽エネルギーは月の地表に何列もに敷きつめられた巨大なパネルで集められ、その後、地球にビームで送られる。(実際にNASAでも計画されていた。)

これらの計画が本当に実現すれば大変すばらしいものであるが、一般的に「映画の世界」と考えられているだろう。従って、一般の人々にとって、『ガイア・セレーネ』の信憑性はどのくらいのものかはなかなかわからない。

しかし、プローザー氏は、この映画が科学の世界から批判やその信憑性に厳しいチェックを受けることは覚悟しているものの、それをきっかけに宇宙産業の可能性に注目が集まるよう願っている。

プローザー氏は「私は科学者ではないので専門の科学者から見れば、映画の様々な部分であらが目に付き、それを指摘する人もきっと出てくると思う。しかし、私の務めは、科学を実証することではなく、こうしたアイディアがあるという事実を一般の人々に示すことだ」と述べた。


SF/Jでも宇宙資源の活用を主張していますが、そのためには月の開発においても、宇宙アクセス方法の確保(輸送手段)がカギになることでしょう。また、この映画について一般の方が信憑性ではなく、アイデアのすばらしさに目をむけ、実現にむけ協力していただけるといいですね。

※画像はガイヤセレーネHPより

関連サイト
「月の開発こそが人類を救う」と説くドキュメンタリー映画(WIRED)
ガイア・セレーネ