2005/10/01 (土)

オルセン博士が宇宙へ ソユーズ7号打ち上げ成功

世界最先端の宇宙旅行会社であるスペース・アドベンチャーズ社は1日、米国の技術起業家グレグ・オルセン博士とソユーズTMA7号の乗組員が無事、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられた、と発表した。



オルセン博士は、エクスペディション12のクルーと合流し、ISSで8日間、過ごす予定。
 オルセン博士は、起業家でエビタックス社(EPITAXX Inc.)、センサーズ・アンリミテッド社(Sensors Unlimited Inc.)の創業者である。博士は打ち上げを前にして「疑いもなく、これはわたしの人生最大の偉業になるし、宇宙にいる間も帰還してからも、この経験を皆と分かち合いたい。猛烈な努力と決断力が今日のわたしを生んだ。そして若者たちに大きな夢を持つよう勧めたい。わたしにできることは、君たちにもできる」と語った。
 世界最初で唯一の民間宇宙探検家となった米企業家デニス・ティトー氏と「宇宙で最初のアフリカ人」となったマーク・シャトルワース氏のための宇宙旅行を組織したスペース・アドベンチャーズ社のエリック・アンダーソン社長兼最高経営責任者は「今日は民間宇宙旅行の新たな勝利を記念する日だ。オルセン博士はこの旅行に最初からすべてを捧げていたし、スペース・アドベンチャーズのスタッフもそうだった。彼はわれわれを鼓舞したし、このミッションを通じて世界中の何百万という人を鼓舞するに違いない」と語った。
 オルセン博士はロシアの「星の町」でこのミッションのため900時間の訓練を終えている。ISS滞在中、博士はESA:欧州宇宙機構が準備した、無重力下での人体の反応に関する研究計画に参加する予定。実験では、吐き気や腰の痛みの原因究明、ヒト細菌フロラの発生を研究することになっている。
 博士は科学実験のほかハム無線を使って米ニュージャージー、ニューヨーク両州の高校生30人と交信することになっている。これは、ISSアマチュア無線(ARISS)国際ワーキングルループが組織した。また博士はセンサーズ・アンリミテッドが提供するウェブキャストを利用したビデオ電話通信で家族、友人、同僚と話す予定。このウェブキャストに興味のある人は、米東部夏時間10月4日午後6時27分ー6時39分、同6日午後5時42分ー5時54分、同7日午後6時07分ー6時19分の3回、http://www.SensorsInc.comにログオンできる。
 オルセン博士は、1945年ニューヨーク州ブルックリンで生まれ、フェアリー・ディキンソン大学で電気工学と物理の学士号をとった。学部修了後、彼は同大学で物理学修士号をとり、1971年、バージニア大学で材料科学の博士号を得た。1972年から83年まで、現在サーノフ社となっているRCA研究所で働いた。博士は1984年、最初の会社エピタックスを創立、後に同社を1,200万ドルで売却した。1992年に博士は、センサーズ・アンリミテッドを設立し、2000年に7億ドルで売却したが、2002年に600万ドルで買い戻し、今年9月6000万ドルで再度売却した。

 民間人宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送り出した唯一の会社であるスペース・アドベンチャーズ社は、米バージニア州アーリントンに本社を置き、フロリダ州ケープカナベラル、モスクワ、東京にオフィスがある。同社は、無重力体験とミグ戦闘機による飛行、宇宙飛行士訓練、宇宙飛行資格取得プログラム、未来の準軌道宇宙飛行の予約といったさまざまなプログラムを提供している。同社の顧問には、アポロ11号で月面を歩いたバズ・アルドリン、シャトル宇宙飛行士キャシー・ソーントン、ロバート(フット)ギブソン、チャールズ・ウォーカー、ノーマン・ダガード、サム・デュランス、バイロン・リヒテンベルグ、スカイラブ宇宙飛行士オーエン・ギャリオットが名を連ねている。詳細は、http://www.spaceadventures.comを参照。
(記事はSA社プレスリリースより抜粋)


▽問い合わせ先
Stacey Tearne of Space Adventures(R), Ltd.,
+1-703-524-7172 ext. 544, or
stearne@spaceadventures.com
Web site: http://www.spaceadventures.com
http://www.SensorsInc.com