2004/10/20 (水)

X PRIZE参加Interorbital Systemsが次の挑戦へ!

ANSARI X PRIZEに挑戦したInterorbital Systemsが次の挑戦として本格的に軌道飛行を目指した宇宙船の開発を進めている。X PRIZEは高度100kmを弾道飛行する準軌道であったが次は軌道周回飛行を目指す。

既にANSARI X PRIZEはSpaceShipOneが獲得たが、Interorbital Systemsは宇宙の未開発領域を旅行者に開く計画を進めている。
Interorbitalは現在、Nano とNeptune という2機の新しいロケットを開発している。

Nanoは軌道上に小型衛星を打ち上げるもので、Neptuneは最大8人の人を軌道に輸送することができるロケットである。
このチームは、これまで準軌道(高度100kmの弾道飛行)の宇宙船を開発するANSARI X PRIZE Competitionに参加していたが、次は乗客を地球の軌道に乗せることができる宇宙船のために企業家のボブ・ビグローによって提供されているAmerica's Space Prizeへの挑戦を計画している。(America's Space Prizeについては過去記事参照。)

「私たちには、この軌道の賞ができたということをうれしく思っています。」と、チームリーダーRanda Millironは待ち望んでいたようである。もともとこのチームは準軌道宇宙船を開発するANSARI X PRIZE CompetitionにSolaris Xという宇宙機で挑戦していたが、これは軌道周回用のNeptune-Solaris Orbital Spacelinerのステップとして行っていたもので、目標はあくまで軌道に人を運ぶ宇宙機の開発であり、それを利用した宇宙旅行などのビジネスなのではないかと思う。

ANSARI X PRIZE Competitionの他のチームも多くは最終的には"軌道飛行"を目指しており、同じようにAmerica's Space Prizeに挑戦するのではないかと思われる。

X PRIZEの準軌道弾道飛行と比べてAmerica's Space Prizeは軌道周回飛行であり技術的には大きな壁があるが、X PRIZEで実際に見せたように「民間で無理だと思われていたことが実現できる」ことは民間の技術力と人々のスピリッツにより十分に解決できると期待できる。

ただし、我々SF/Jは資金力や法整備、技術など政府には大きな力があり、政府が本気でやることが本当は一番の近道でないかとは考えている。いずれにせよ政府の力は必要であり、官民が協力していくことが一番大切であると考えている。NASAは最近はかなり民間との協力姿勢を見せ、例えばAmerica's Space PrizeはビグローとNASAとが協力して行うらしい。日本も早くそのようになってもらいたい。

関連記事
X PRIZE