2004/12/17 (金)

LiveDoor 有人宇宙機開発を宣言!その時JAXAは?

12月16日 見上げる宇宙から使う宇宙へと題した、宇宙利用を考えるシンポジウムが開催され、話題のライブドア堀江社長がトップバッターで講演し、民間による軌道向けの有人宇宙機の開発を3〜5年後に行うと発表した。

講演会の中で堀江氏は、有人宇宙技術が決して新しい技術ではないこと、資金の問題が大きいこと、ライブドアは宇宙の技術は無いが、技術のあるところを動かす資金力やプロジェクトマネージメント力があることを語り、熱意と資金が新しい技術開発と新事業のために必要であることを熱く語った。
また、最終的に自分が求めることが、宇宙で小銭を儲ける事ではなく、宇宙というフロンティアを開拓すると言うロマンであり、次の世代の子供たちの夢を育てるために、大人がやるべきメッセージであると熱く語った。

宇宙関連の知識や技術は勉強中であるとのことであったが、ここで語られたのは、例えば安価なケロシンと液酸を用いたシステムやロシアの確立された技術を転用し少しでも安く、簡単に実現することが民間らしい開発であるといわれた。
(ここでは、再使用という言葉はなく、どちらかというと使い捨て方の有人ロケットであるように見受けられた。)

SF/Jで訴え続けていることに大変近いことを語って下さった堀江氏には、ぜひとも実現に向けてがんばってほしいと心から応援したい。

また、当シンポジウムでは、午後の部では宇宙で暮らすことをテーマとした座談会が行われ、X PRIZE水谷氏からX PRIZEの説明などがされた。

JAXAが主催したこのシンポジウムで、一見すると、JAXAの有人政策に対抗するかのようなライブドアの発言「国がやらないのなら、民間が有人をやる」という言葉やX PRIZEの説明は、JAXA内部の反感をかうようにさえとれるが、
あえて、JAXA主催のイベントがこのような発言を許容し、むしろトップバッターとしてスピーチし、シンポジウムに大きなインパクトを与えるように仕向けたことの意図はなんであろうか?

JAXA内にも、有人宇宙開発をやりたい、目指したいという動きもわずかにでも存在し、JAXA内で動きにくかったり、発言しにくいことを、民間や、外部団体の力を借りて代弁しているのではないか?そんな風に感じた。

宇宙に賭けるフロンティアスピリットの塊のような人が本来JAXAに入ったはずであり、そんな人々こそ、本当は宇宙旅行を実現させたいはずである。きっとライブドア堀江社長の熱意以上に熱く宇宙への夢をもっているはずである。

JAXAでは、オープンラボというプロジェクトが進行中であり、宇宙パートナー制度、宇宙ベンチャーの促進を推進している動きがある。
宇宙オープンラボプロジェクトは利用した新しい宇宙事業に関心のある投資家、起業家向けの情報交換と事業化プロジェクトである。

SF/Jでは今こそ、民、官、学などの枠にとらわれない、宇宙のフロンティアの開拓に向けた、JAXAのこのような新しい動きに注目し、応援していきたいと考えている。



関連サイト
宇宙オープンラボ