2005/02/21 (月)

議論される民間宇宙飛行の政府規制

昨年、アメリカではScaled Compositesが、政府からの補助なしで開発したSpaceShipOneで有人飛行を実現した。Virgin Galacticは、2008年にサービス開始を目指している。 こうした中、宇宙旅行は安全性を優先して政府が厳しい規制を設けるべきか、規制を緩くして宇宙旅行業界の発展を促すべきかという政府規制の問題をめぐり、アメリカ議会で議論が続いている。

2004年末、宇宙旅行ビジネスへの規制に関する初の法律がアメリカ議会で成立した。内容は、「当面は重大事故が起きない限り業界の自主性に任せ、8年後に具体的な規制を設ける」というものだ。これに対し、「最初から厳しい安全基準を課すべき」と民主党の一部が反発している。アメリカ下院運輸経済基盤委員会の民主党議員は、FAAに安全基準の再設定を求める法案を提出した。

宇宙旅行業界は、起業家たちによってPrivate Space Travel Federationを設立し、安全基準の作成を既に開始している。起業家たちはこう言う。「民間宇宙飛行はまだ危険を伴う冒険であり、交通手段とはなっていない。この状況は、航空業界の草創期とよく似ている。政府が航空機の分野で安全規制を設けたのはライト兄弟の初飛行後20年以上たってからだった。政府が最初から介入していたら、同じような発展は望めなかったはずだ。」Virgin GalacticのWill Whitehorn CEOはアメリカ下院運輸経済基盤委員会の公聴会で、自主的に安全性確保を図る姿勢を強調した。Whitehorn社長はこう言う。「Virgin Galactic社にはすでに1万8000人から問い合わせがある。この人たちの命を奪うような宇宙船を打ち上げようとするはずがない。」

SF/Jとしても今は航空業界の草創期とよく似た状況であり、それを踏まえた基準を作るべきであることを主張している。