2005/05/21 (土)

カナディアンアローの新たなパートナー

準軌道再使用型ロケット旅客機Canadian Arrowの開発を行ってきたカナディアン・アロー社が、あらたにアメリカの投資家Chirinjeev Kathuria氏と提携し、PLANETSPACE社を設立した。

カナディアン・アローはカナダのオンタリオ州に本拠を置き、準軌道飛行レースANSARI X PRIZEに挑戦してきた。
その宇宙機Canadian ArrowはドイツのV2ロケットをベースにした2段式ロケットで垂直に離陸し、弾道飛行の後パラシュートを展開し海上に着水するサブオービタル機だ。
飛行時間は45分で、無重力時時間は4分、上昇時5.4Gが3秒、下降時7.5Gが3秒の加速がかかり、クルーキャビンは1気圧ですが加圧服を着用する必要がある。パイロットが1名と乗客2名が搭乗する。
5月12日に行われたエンジンテストでは推力50,000 lbst出し成功していた。
Engine Test, May 12th 2005

新たに設立されたPLANETSPACE社はCanadian Arrowの製造とテスト、打ち上げを行い、2007年(24ヶ月以内)に旅客宇宙飛行サービスの提供を目指している。料金は25万米ドルを予定しており、これには14日間のトレーニング費用も含まれる。カナディアンアローのリーダーGeoff Sheerin氏がこの企業の社長をつとめる。

一方、資金提供を行うPLANETSPACE社のKathuriaチェアマンはインターネット&テレコミュニケーション事業を行う企業家で、かつてミールを民間人に提供するMirCorp社のファンドディレクターをしており、Dennis Tito氏が宇宙旅行に最初にサインしたのもMirCorp社が提供するミールへの宇宙飛行サービスだった。(結局はSpace Adventures社と契約しISSへの飛行となった。)

カナダのトロントにはライバルのda Vinci Projectがあり、Virgin Galacticと組むScaled Composites社やSpace Adventuresと組むXCOR社、カリフォルニアのSpaceDev社、オクラホマのRocketplane社など、しのぎを削るサブオービタル宇宙旅行事業に新たに強力なライバルがまた一つ加わった。


※写真はCanadian Arrow社のHPより


関連サイト
Canadian Arrow
PLANETSPACE
Space.com